通信EMC部門
車載イーサーネット機器EMC評価技術の研究
車載ネットワーク用EMC対策デバイスのEMC測定法の研究及び標準化活動
・100BASE-T1、1000BASE-T1、10BASE-T1S等に用いられる
コモンモードチョークやESD(静電気放電)保護素子を主対象に、
試験基板の最適化
・測定精度確保のための要求事項の明確化
・校正手法の明確化を実施し、特性評価の信頼性向上に寄与
EMC対策デバイスに対するESDダメージ試験の測定法の研究及び標準化活動
・試験基板の最適化を実施し特性評価の信頼性向上に寄与
・TLP-HMM(Transmission Line Pulse – Human Metal Model)
のESD試験機の代用可能性を検討し、ESD試験の安定性向上に
寄与
TLPを用いたESD飽和試験の測定法及び標準化活動
・試験パラメータを明確化、校正手法を提案し、特性評価の信頼性
向上に寄与
Powered ESDによる車載イーサネットICの通信品質に対する影響の研究
・モード変換により差動通信系に重畳するノイズ特性の解明
・通信エラーを引き起こす機構の解明
・ノイズ特性、通信特性を定量的にシミュレート可能な
ソフトウェアの開発
ワイヤハーネスを含むEMC評価系の研究
・ワイヤハーネスの敷設条件、EUTの設置条件によるコモン・
ディファレンシャルモードノイズの結合・伝搬量の変化を解析
【評価例】
差動通信系に到来する外来ノイズの電子機器に対するふるまいを解析するためには、差動通信線に対する外来ノイズのコモンモード結合・伝搬と、差動通信線終端構造(電子機器との接続部)におけるモード変換を考える必要があります。終端部でのモード変換量は基板配線や実装部品の他に電子機器の接地状態にも依存するため、このモード変換量を測定するためには終端部全体を含む形で測定可能な手法が必要になります。
本論文1)では、電流プローブを用いた 3 ポートの S パラメータ測定により、終端構造(UTPケーブル終端とプリント回路板との接続部・プリント回路板上の素子を含む3導体系)の電気特性を抽出する方法を 2 種類提案しており、両方法でほぼ同じモード変換量が求められることを実験的に示すことでその有用性を示しています。
1) 吉田征弘, 矢野佑典, 王建青, 石田武志, “差動通信線終端構造に対するモード変換量測定方法,” 電子情報通信学会誌B, Vol.J105-B, No.12, pp.928-937, Dec. 2022. DOI: 10.14923/transcomj.2022JBP3020.
テストハウスで実施可能なEMC関連の試験項目
名工大EMCチームでは、以下に示す試験項目について、ドイツFTZ社と密に情報交換を行いながら、予備試験的な観点からの試験の実施、試験データの提供、及びコンサルディングを行います。
・IEC 62228-5 Annex E Characterization of Common Mode Chokes for EMC Evaluation of Ethernet Transceivers、
・Open Alliance - IEEE 100BASE-T1/1000BASE-T1 EMC Test Specification for Common Mode Chokes Ver. 2.0、
・(審議中)IEEE 10BASE-T1/1000BASE-T1S EMC Test Specification for Common Mode Chokesにおける下記の試験項目:
- Mixed-mode S-parameter measurement
- ESD damage test
- Saturation test at ESD
・IEC 62228-5 Annex F Characterization of ESD Suppression Devices for EMC Evaluation of Ethernet Transceivers、
・Open Alliance - IEEE 100BASE-T1/1000BASE-T1 EMC Test Specification for ESD Suppression Devices Ver. 2.0、
・(審議中)IEEE 10BASE-T1/1000BASE-T1S EMC Test Specification for Common Mode Chokesにおける下記の試験項目:
- S-parameter measurement mixed mode
- ESD damage test
- ESD discharge measurement